ピナツボ火山とは?魅力と歴史

ピナツボ火山とは?歴史と魅力を解説
ピナツボ火山(Mount Pinatubo)は、フィリピン・ルソン島中部にある活火山で、1991年の大噴火によって世界的に知られるようになりました。
この噴火は20世紀最大級の規模で、山頂が吹き飛び、美しいカルデラ湖が誕生しました。
現在は、トレッキングや絶景観光が楽しめるスポットとして人気を集めています。
ピナツボ火山の歴史
ピナツボ火山の活動は約110万年前に始まり、長い間休眠状態が続いていました。
しかし、1991年6月15日、約400年ぶりに大噴火が発生。
大量の火山灰が大気中に放出され、地球全体の気温を約0.5℃下げるほどの影響を与えました。
この噴火で多くの人が避難しましたが、それでも甚大な被害が発生しました。
現在のピナツボ火山
現在は火山活動が落ち着き、ツアーで訪れることが可能になっています。
ジープで荒野を駆け抜け、ハイキングを楽しみながらエメラルドグリーンのカルデラ湖を目指すトレッキングツアーは、フィリピンでも特に人気のアクティビティです。
フィリピン留学中の小旅行や、クラーク滞在時の観光にぴったりのスポット。
壮大な自然のパワーを感じられるピナツボ火山は、一生の思い出になること間違いなしです!
ピナツボ火山ツアーの基本情報(アクセス&料金)

• 出発地:クラーク発のツアーが一般的
• 料金の目安:ツアー代1人3200ペソ
• 所要時間:早朝出発〜夕方帰着(日帰り可能ですが、体力的にきついかもしれません。前泊推奨)
ツアー当日の流れ(実体験レポ)
ピナツボ火山ツアーの申し込みと事前準備
ツアー申し込み
私たちは「KKday」というサイトを利用し、9人でプライベートツアーを予約しました。
しかし、ピナツボ火山のツアーは申し込めば必ず行けるわけではなく、事前に許可申請が必要だったため、準備にはかなり気を使いました。
まず、全員分のパスポート写真を提出し、ツアー許可が下りるのを待たなければなりません。
この手続きには最低20日前までの申請が必要で、さらにツアー参加の可否が分かるのは出発の4〜5日前というギリギリのスケジュールでした。
直前まで確定しないため、なかなかスリリングな計画になりました。

許可が降りた時はみんなで喜びました
ホテルの予約・前泊を決めた理由
ピナツボ火山のトレッキングは早朝出発で午後には終了するため、日帰りでも可能です。
しかし、私たちは体力を優先し、少しでも仮眠を取れるようクラークで前泊することにしました。
ツアーバンはピナツボ火山へ向かうために、クラークへ朝4時ごろ迎えに来ます。
そのため、バギオから当日出発する場合はかなり過酷になります。
実際、同じ日に参加した他のグループは午前1時にバギオを出発し、車内で仮眠を取るしかなかったそうですが、「かなりしんどかった…」と話していました。



午前1時にバギオを出発してそのままトレッキング出発はなかなかきつそうです・・・
また、フィリピンのバンは、日本とは比べ物にならないくらいのスピードで走る上に、道路の整備が行き届いておらずめちゃくちゃ揺れます。
ひどいときは体が浮いて天井に頭をぶつけるほど!



こんなに揺れると思っていませんでした・・・
日本の高速道路のように快適に眠れるとは考えない方が良いと思います。
ホテル選びですが、ツアーの審査に落ちる可能性もあったため、宿泊先は直前キャンセル可能なホテルを選びました。
加えて、「もしダメだったらクラーク観光でも楽しもう!」という気楽な気持ちで、柔軟に対応できるようにしていました。
バギオからクラークへの移動手段
私たちは10人乗りのバンをチャーターし、往復ともにバン移動を選択しました。
大人数での移動だったため、快適かつスムーズに移動できたのが良かったです。
ツアー料金と総費用
ツアー代は一人3,200ペソでしたが、これにバン代やホテル代を含めると、一人あたり約5,200ペソとなりました。
プライベートツアーでこの価格なら、十分に満足できるコストパフォーマンスだったと思います。
事前準備には少し手間がかかりましたが、その分、当日はスムーズに楽しむことができました!
前日 学校〜クラークまで(前泊)
前日は、夜7時に学校までバンで迎えに来てもらえるよう予約しました。
バギオからクラークまでは5時間ほどかかると予想していましたが、夜間で道が空いていたことに加え、運転手さんのスピード感ある運転のおかげで、23時前にはクラークに到着しました。
途中でトイレ休憩なども挟みました。



休憩所はお土産も売ってる道の駅的な場所でした
バギオの山道はカーブが多く、乗り物酔いしやすい人は注意が必要です。
また、一部舗装されていない道路もあり、何度か体が浮くほど揺れる場面もありました。
そのため、バンの中でゆっくり休んだり熟睡したりするのは難しかったです。
クラークでの宿泊
ホテルの前で、行きと帰りの送迎用のバンとはいったんお別れです。
翌朝に迎えに来るのは、同じようなバンですがツアー専用のバンになります。
そのため、送迎バンの運転手には、翌日の集合時間と場所をあらかじめ伝えておきました。
翌朝、ツアーバンが朝4時にホテルの前まで迎えに来る予定だったため、長時間休めないことも考慮し、安めのホテルを選びました。
また、事前にチェックアウトが朝3時45分頃になることをホテルに伝え、対応可能か確認していました。



24時間フロントと予約サイトに載ってはいたのですが、念のため個別で問い合わせもしました
私たちが滞在したホテルは24時間フロント対応だったため、問題なくチェックアウトできました。
部屋の割り当ては、9人で5部屋を取り、2人1部屋+1人だけ個室という形にしました。
当初はエアビーで全員一緒に泊まることも考えましたが、大人数でのシャワー利用には時間がかかることや、滞在時間が短いため夜に話したり遊んだりする時間がないことを考慮し、休息を優先してホテルを選びました。
シャワーについては、学校で浴びてきた人と、ホテルについてから浴びた人に分かれていました。
私は学校で済ませていたので、ホテル到着後、外のコンビニに飲み物を買いに行った後、すぐに寝ました。



セブンイレブンがホテルの近くにあったのでありがたかったです
ホテルからキャンプまで
朝4時にツアーバンがホテルの前まで来る予定だったため、3時45分にロビー集合と決めていました。



みんな寝坊しなくて良かったです
ツアーバンでクラーク市内のホテルからピナツボ火山のベースキャンプへ移動。
行程表では約3時間(7時到着予定)となっていましたが、実際には5時頃には到着しました。
ベースキャンプでは、入山手続きとしてサインを記入。
また、トイレがあり、少しだけお土産を売っているコーナーもありました。
ここで出発前の準備を整えます。
泊まり用の荷物はツアーバンに置いておくことができたため、登山用の荷物だけを持ち、ジープに乗り込みました。



友達がスーパーのエコバックで来ていて、びっくりした思い出です。
• 4WDジープで荒野を疾走!
みんなの準備が整うと、「こっちだよ!」とジープがたくさん停まっている場所へ案内されました。
そこで、3人ずつジープに分乗。
ジープには運転手とガイドさんが同乗していましたが、私たちのガイドさんは特に説明などはありませんでした。
まだ暗い5時半ごろに出発し、約1時間半の道のり。
そこには視界を遮るものがない広大な大地が広がっていました。
徐々に周囲が明るくなり、朝焼けが見えてきます。その光景が本当に本当に綺麗で、感動しました。
道中、時々牛の群れや現地の人の姿も見かけました。
私たちのジープは車内に完全に乗り込むタイプで屋根付きでしたが、友人たちが乗ったジープは前方に運転席と助手席があり、後ろは荷台のような場所に簡易的な椅子と手すりがあるタイプ。
そのため、しがみつくような感じで乗るスタイルでした。友人たちは、泥や土ぼこりが舞い上がる場面も多かったそうですが、風を感じながら走るのも楽しそうでした。




一方、私たちのジープは揺れがすごかったものの、車内にいたため汚れることはなく快適でした。
それでも、途中には大きな石がゴロゴロした道や、浅い川を進むルートがあり、まさに人生で一番揺れた乗り物でした。
時折、川辺や石にハマって動けなくなっているジープを見かけることもありました。


• トレッキング開始
約1時間半ジープで走ると、いよいよトレッキング開始地点に到着!
ここでは、登山用の長い木の棒をレンタルできるので、必要な人は借りてもいいかと思います。


私は、友達がいつの間にか私の分までレンタルしてくれていたので、それを使わせてもらいました。
川など滑りやすい場所では支えになり、とても助かりました。
トレッキング時間は約2時間。
ガイドさんは2人いましたが、特に解説などはなく、時折みんながついてきているか確認しながら淡々と登っていくという感じでした。



たくさん人がいたので、他のツアーのガイドとも混じって自分のガイドを何度か見失いそうになりました
とはいえ、川を渡るときに手を貸してくれたりと、要所要所で助けてもらいました。
驚いたのは、ガイドさんが普通のビーチサンダル(しかも踵が固定されていないタイプ)で登山していたこと!
私はバギオに来てから運動習慣がなくなり、体力が落ちていたのでかなりきつかったです。



股関節の「そんなところが筋肉痛になる!?」ってところが痛みました・・・
一方、普段から運動している夫や女友達は、わりと楽そうに登っていました。
ルートは緩やかな上り坂が多かったですが、後半は道が狭く、川の上の滑りやすい岩の上を進む場面もあり、転ばないように必死でした。
しかし、目の前には普段見ることのない異世界のような景色が広がっていました。
大きな岩や植物、どこまでも続く白っぽい石や岩の風景は圧巻で、しんどさを忘れて見惚れる瞬間もありました。




途中に草で囲まれた簡易トイレがありましたが、私は利用せず、山頂の湖のところにあるトイレを使用しました。
フィリピンでよくあるバケツに水をためて流すタイプのトイレでした。
道中には休憩スペースがいくつもあり、そこでみんなでお菓子を食べたり、リフレッシュする時間がありました。
• 絶景のカルデラ湖到着!
ついにカルデラ湖に到着!


その瞬間、あまりの美しさに疲れも吹っ飛びました。
青い空の下に広がる、エメラルドグリーンの湖。
まるで天国のような光景でした。
ちょうど晴れていたので、本当にラッキー!
この絶景が忘れられず、今でもスマホのロック画面に設定しています。
多分、私の人生の走馬灯に流れる景色のひとつになると思います。



私が今こうしてブログを書いている今も、あの美しい湖も大地もこの世界に存在しているんだなあと思うと不思議な感じです
湖の前では、みんなで休憩しながら記念撮影をしました。
また、湖の近くまで降りられる階段があったので、せっかくだしと下まで降りて湖の間近まで行きました。
そこを背景に写真を撮ると、また違った美しさがありました。


ただし…帰りの階段を登るのが地味にきつかったです(笑)。
しばらく滞在した後、ガイドさんの「降りるよ!」の合図で下山開始。
登ってきた道を降りるのは体力的には楽でしたが、川の岩が滑りやすくてハラハラしました。
帰りも途中で休憩を挟みながら慎重に下山し、再び行きに乗ったジープでベースキャンプへ戻ります。
正直、ジープの中で寝たかったのですが…
あまりに揺れるので、眠るどころか振り落とされないよう必死でした(笑)。
ベースキャンプに戻る頃には、靴も靴下も水と泥でぐしょぐしょ…!
予め持ってきていたサンダルに履き替え、すっきりした状態でツアーバンに乗車。
その後、ツアーバンでSMクラークまで送ってもらい、ピナツボ火山ツアーは終了しました。
SMクラークでショッピング
送迎バンとの待ち合わせ時間は夜7時だったので、それまでの間、SMクラークでご飯やショッピングを楽しみました。



クラークのSMモールは入場時の手荷物検査なしでした
疲れた体を癒すために、ステーキのお店で食事。
これがまた…トレッキング後の体に沁み渡る美味しさ!



友達は肉にビールも注文して飲みまくっていました
ボリューム満点で、しっかりエネルギー補給できました。
その後、予約していた送迎バンが迎えに来たので、再びバギオへ向けて出発!
クラークからバギオへの帰り道も長かったですが、楽しかったピナツボ火山の思い出を振り返りながら帰路につきました。
こうして、私たちのピナツボ火山トレッキングツアーは無事終了!
持ち物&服装のポイント
持って行った方がいい持ち物
• 水や飲み物
→ こまめな水分補給が必要。ただし、ジュースや現地の食べ物は道中で購入可能ではありました。
• 軽食
→ 体を動かすのでお腹が減ります。私たちはクッキーや小さいパン、みかんなどを持ち寄り、休憩時に食べていました。
• マスク
→ 土埃が苦手な人は必須。ジープのタイプによってはかなり埃をかぶる可能性があります。
• 羽織る服
→ 朝早くはかなり冷えるので、薄手の羽織があると安心。ただし、寒いというより「涼しい」くらいの感覚でした。
• 濡れてもいい靴 & 滑り止めのある靴
→ 道中、ふくらはぎ程度の深さがある浅い川を靴のまま渡るため、靴も靴下も確実に濡れます。
また、足元が滑りやすいので滑り止め付きの靴が安心です。
• 代わりの靴 or サンダル(必須!)
→ トレッキング終了時には靴が泥まみれ&濡れて不快になるので、履き替え用の靴やサンダルを必ず持参しましょう。
• タオル
→ 汗を拭いたり、汚れたときに使うため、1枚は持っておくと便利。
• ティッシュ(特にトイレットペーパー)
→ フィリピンではトイレにティッシュがないのが普通なので、ポケットティッシュは必須!
• モバイルバッテリー
→ 写真や動画を撮ることが多くなるので、バッテリー切れ防止のために持っていくと安心。
服装について
私は、Tシャツと膝上の短パン、その下にラッシュガードを履いて登りました。
短パンだけでは転んだ際に怪我をしやすいと思ったのと、水の中を通る場面があったため、濡れるのが嫌で長ズボンではなくラッシュガードを選びました。
上には薄手の羽織を着ていましたが、終盤は暑くなり、腰に巻いて歩きました。
登山というよりはトレッキングといった雰囲気だったので、本格的な登山装備の人はほとんどおらず、普通の長ズボンを膝までまくっている人や短パンの人が多かったです。
中にはジーパンで登っている人もいました。
まとめ:ピナツボ火山ツアーはフィリピン留学中におすすめ!!
事前準備から実際の登山まで詳しくレポートしました。
本当に感動的な景色が広がっていて、一生の思い出になりました!
バギオ留学中の方やクラークを訪れる予定の方には、ぜひピナツボ火山へのトレッキングをおすすめしたいです。
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